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■全国書店新聞    8月1日号記事
2004/08/01記事一覧      全国書店新聞一覧
  【 東北ブロック大会・イン青森 】
 世界遺産に指定された大自然「白神」の麓・青森県鯵ヶ沢町で今年の書店東北ブロック大会が開かれた。

今年の目玉は「長引く景気低迷の中で、どうすれば地域書店の再生を図れるか」という切り口のシンポジウム。

日書連萬田会長、日販阿部副社長、トーハン阿部取締役らの発言を再現した。

  出 席 者(敬称略) 日販取締役副社長  阿 部 洋一郎 トーハン取締役   阿 部 好 美 日書連会長     萬 田 貴 久 東北ブロック会長  藤 原   直 青森県組合理事長  鶴 谷 禄 郎 〔藤原「失われた10年にヒント」/阿部洋「返品は非効率の象徴だ」〕  藤原 出版業界は7年連続マイナス成長が続いている。

20世紀最後の失われた10年を振り返り、反省材料にしながら、今後どうすれば活性化するのか、ご意見をいただきたい。

 この10年で大きく4つ変わった。

1番目に情報化社会が急激に発達した。

10年前、インターネット、携帯電話はこれほど普及していなかったが、今は子供まで持っている。

工業化社会が終わり情報化社会になった。

2番目に冷戦構造が終わり世界が一極集中化した。

3番目にデフレ不況。

戦後ずっとインフレで来ていて、デフレは初めての経験だ。

4番目に少子高齢化は今後も続く。

 環境の変化に対応しないものは淘汰される。

今後われわれは状況の変化にどう対応していくのか、お話を伺っていきたい。

 阿部(洋) 7年連続のマイナスで業界は3千億円強の売上げを失った。

われわれはそれを指をくわえて見ていたわけではなく、血のにじむような努力をしてきた。

書店も個々の経営を守る立場で大変な努力をされてきた。

取次各社は物流投資も含め読者のための流通改善に取り組んできた。

日販は7年前2600人いた社員が、今は2000人を切っている。

 少子高齢化の問題は、1980年に0歳から14歳まで24%、15歳から64歳まで67%、65歳以上9%の年齢構成だった。

これが2004年では14歳まで14%、65歳以上19%と高齢者が10ポイント増えた。

恐ろしいことに2030年になると65歳以上が30%になる。

 携帯、インターネットについては、インターネットが一般化してきた5、6年前、インターネットを一番使うユーザーは本を一番読む人口だったという統計もある。

ただ、いまや小学校5、6年生がインターネットで事件を起こす時代になっている。

インターネットは決して活字の敵ではないが、どこにお金を使うかで、本代から通信費に変わってきている構図だ。

 外的要因としては新古書店、マンガ喫茶だろう。

ブックオフは平成16年3月期で862店、売上げ224億円、104%の増加率。

マンガ喫茶は貸与権の法整備が進んでおり、ある程度見えてきた。

根底にある活字離れの問題が一番大きな要因だろう。

 業界内部的には、すべての根幹は非効率の問題だ。

書籍返品率が40%、雑誌も30%を越えている。

これでは業界はどこも儲からない。

出版社が儲からないと次の再投資につながらない。

業界全体で返品率を引き下げないことには明日はない。

返品増大の結果が出版点数の急増につながっている。

出版社も社員を食べさせないといけない。

悪く言えば粗製濫造で出版点数が増えている。

10年前に4万点台だった年間新刊点数はいまや7万5千点。

書店に並ぶ時間が短くなり、押し出される。

読者の購買動機で「店頭で現物を見て」は60%ある。

店頭で読者の眼に触れる機会が多ければ売れるチャンスも多い。

 活字メディアの競争力は、他のメディアに対して相対的に低下しているのではないか。

テレビがこれだけ普及し、インターネットその他の情報手段が発達してきた中で、週刊誌の持つ社会的役割、機能は昔に比べて変わってきている。

そのあたりを作る側が改善しているだろうか。

 流通の立場から言うと、各社とも送品スピードアップに全力をあげている。

在庫点数は10年前は10万から12、3万点だったのが、いまや50万点になった。

また、物流は労働集約型の典型で何百人も動員して物流を動かしてきたが、省力化と機械化を進めることで24時間注文品の出荷作業をしている。

 受発注のデジタル化も進んだ。

書店店頭で端末、POS、HTなどから電子発注ができ、タイムロスをなくせる。

出版社の協力をいただきながら計画搬入し、全国の書店の発送時間帯に合わせ、最も滞留時間の少ない出庫をしている。

いまや在庫商品は3〜4日で店頭に届けられる。

 取次在庫はもちろん、版元621社の在庫を書店店頭でご覧いただける。

店頭に来られた読者には出版情報を含めた各種情報サービスで相当進歩した。

 ネット販売がどんどん増えている。

アマゾンは2002年に90億円、2003年に180億円、たぶん今年は250億円になるだろう。

ネットが便利なのかリアル書店が便利なのか、最終的には利便性の問題で消費者が選択する。

これに対抗するには個々の書店ではできないので、「本やタウン」をサイト上で一緒に展開させていただいている。

 出版社にとって大きい流通上の進歩は、書店POSで店頭売上情報が開示され、きめ細かく、迅速に手元に届くようになったことだ。

重版を判断する段階で昨日この商品がどの書店で売れたかわかる付加価値の高いサービスだ。

 読書推進は、日書連も組織をあげて展開しているし、業界では読進協が手がけている。

日販では「母と子の読み聞かせ」を取引書店の店頭で定例的に展開し、トーハンも朝の10分間読書を積極的に展開されている。

明日の業界のために忘れてならない重要な運動だ。

 阿部(好) 7年連続の前年割れは1997年から始まった。

2003年は1999年と比べマイナス17・3%。

金額では2兆6563億円が2兆2178億円に7年間で4285億円減った。

 1975年までは2ケタ成長、翌年から1996年まで1ケタ成長だった。

97年に始まるバブル崩壊、景気後退が引き金でマイナスに転じたが、4つの要因がある。

1番目にルートが多様化した。

デフレ景気もあり、新古書店の増加、マンガ喫茶の台頭もある。

図書館の個人貸し出し冊数が増え、通常ルート以外の販売環境が拡大してきた。

 2番目にインターネットに代表されるデジタル化。

携帯電話も含め他業界とのコンテンツの競争が始まっている。

池の水が蒸発している中で、出版業界だけでは問題は解決できない。

 3番目は少子高齢化。

人口構成が激変している。

自治体の収入減で図書館予算も減り続けている。

出版業界という大きな池で蛇口が閉まり流入量が減ったことが書店の店売、外商にボディーブローで利いている。

 4番目に今指摘した外部環境の変化に対し、業界の内部環境が追いつけず、客の望む本が出版されない。

 『書店経営』1月号の新年特集で「当店の最優先課題」を特集し、書店の経営施策をアンケートした。

2001年は売上げ低迷が突出していたが、2004年の1位は商品の仕入れ調達、2位は売上げ低迷、3位は人材育成・従業員問題、4位は万引き問題だった。

こういう結果を見ると、書店の関心が現状打破の方策に移ってきている。

店の魅力アップが急務と考えている書店が多い。

 ここ数年は各書店に様々な提案をしてきた。

店頭発の情報からそれに合う配本や商品調達を打ちあわせながら魅力ある店舗創造を進めている。

トレンドを重視した売場提案、リニューアルと、強み、弱みを共有することで、書店のブラッシュ・アップが重要だ。

〔萬田「小売業全体で環境変化」/阿部好「顧客満足の把握が重要」〕  藤原 書店の側から言うとマイナスは7年より長く、9年は続いている気がする。

書店の感覚ではどうも95年あたりから売場がおかしいなという感覚だった。

日書連も傘下組合員がどんどん減少しており、平成はじめの1万2千店がついに7千店台になった。

 萬田 書店の減少はこの10年の経済低迷が大きな原因の一つだ。

同時にこの10年間はいろいろな変革が行われた。

商業統計を見ると、日本の小売業は170万店から140万店に減った。

特にここ3年間で5人以下の小企業が24%減と減少が著しい。

ガソリンスタンド、レコード屋、薬屋等の淘汰が進んだ。

化粧品や薬は過去、指定再販商品だった。

再販がはずされ、競争条件が変わって変化が起きた。

 書店の減った一番大きな原因は高齢化と後継者だ。

後継者がみつからないのは書店を取り巻く環境がよくないからだ。

近くに競合店が出て営業不振に追い込まれている。

書店全体の坪数はこの2年減ったが、昨年はプラスになった。

個々の書店数は減少している。

中小書店を取り巻く環境は依然として厳しいと実感している。

 長らく低迷していたコンピュータの世界にIT革命が起きた。

私の店は昭和57年に国内で7番目にNIPSを入れたが、それからだいぶ時間がかかってPOSが普及してきた。

この間、出版業界は化粧品だとか消費者に密着した多品種の業界に遅れをとった。

ようやく出版業界もPOSが単品管理、受発注に活用されてきて、在庫把握、売行き予測の有効な武器になっている。

 売上げと同時に、今はいかに利益を確保するかが重要だ。

取次にすべて配本権を委ねるのでなく、書店が独自仕入れを行い、返品率の減少、商品の長期陳列に取り組む。

経費削減を図る。

万引きも自治体や警察と協力して対策を進めている。

これも書店の利益の足を引っ張る。

その要因を除去することになる。

 最近は店頭に書店独自のPOPを掲示し、書店発のベストセラーが話題になっている。

書店の読み聞かせも力を入れている。

各県単位、個店での取り組みが、この10年間に広がってきた。

不況脱出のため、業界をあげた取り組みだ。

 個店だけでは解決できない問題もあり、書店が協力して進めてきた事業の一つがTS流通協同組合。

東京都の補助金でネット利用による客注システムを構築して出版社112社と直接取引きし、月700万円前後の売上げをあげている。

福岡には福岡情報センターがあり、各種情報をデータセンターから書店に一括配信している。

 書店のコラボレーションとしては、NET21が16社、46店の売上げデータを出版社に提供し、共同仕入れを行っている。

大阪のパルネットは10社、23店が一括仕入れを行っている。

 このほか、東京組合では毎年官公需で約10億円の実績がある。

太田ブックチェーンは区立図書館の業務委託をしている。

行政のアウトソーシングだ。

ブックスみやぎ、三重のテラは共同店舗で、中小が協業化して切磋琢磨している。

 藤原 地域書店の活性化の特効薬は何かあるか。

具体例をあげてもらいたい。

 阿部(好) 市場環境を見ると昨年2003年は新規355店舗、4万3千坪出店した。

前年比で64店少なく、2千坪多い。

一方、廃業は1673店、6万8120坪。

店数で30・2%増、坪数で35%減だ。

2003年12月段階で書店の数は1万8473店舗になる。

廃業店の原因は商圏の変化、競合店の出店、売上げ減があげられる。

 活性化だが、顧客満足、ストア・ロイヤリティの向上が最重要ではないか。

そのためには地域との連携、お客が欲しくなるような陳列。

そういう問題意識の把握と課題解決が重要だ。

 2つ目には顧客がどのように変化しているか。

帰宅後の活動時間、自由時間は短縮化している。

トーハンは顧客の変化に対応するために様々なツールを開発して営業提案してきた。

新雑誌定期配本システムは新規顧客の開拓、外商の活性化が狙いで、全国で2500店、東北支店は235店が参加している。

 e-honはインターネットでの受発注、ホームページと店頭の連動により、その効果を何倍にも引き出してくる。

全国で2000店、東北では132店が加盟している。

ブックライナーはすぐにほしい本を短期間で手に入れる。

バーチャル書店とリアル書店の複合だ。

全社で4500店、東北で450店が加入している。

平成15年の販売はブックライナーで前年比30%増加、e-honで50%増えている。

 商品計画に基づく売場作りの展開は、さまざまな情報発信でお客様に期待感を抱かせながら新商品に引き付ける。

雑誌陳列は書籍以上に重要で、リニューアルはGISという地図情報をもとに、地域に合わせた明るい買いやすいリニューアルを提案している。

 朝の10分間読書運動は7月1日現在、全国で1万5815校となった。

青森は373校、実施率54%、岩手387校、52%。

宮城293校、38%、秋田374校、75%、山形273校、51%、福島486校、54%。

全国で75%以上は秋田、長野、鳥取、島根、佐賀で、もうすぐ2万校を突破する状況だ。

〔阿部好「朝の読書は2万校突破」/阿部洋「書店在庫把握して重版」〕  阿部(洋) 返品率が高すぎてはどこも儲からないので、次に再投資ができない悪循環になっている。

一方で書店では新聞広告に載っている売行きのよい本が入荷しない。

 今の委託制度では返品リスクはすべて出版社が負っている。

ベストセラーになっている『世界の中心で愛を叫ぶ』は初版8千部だった。

一般的な文芸書初版の相場だ。

これを全国の本屋に希望するだけ配本するのは不可能だ。

 以前から責任販売制が何度も試行された。

一定の結果は出したが長続きしない。

企画ものは原資がとりやすいし、版元も1セットでも多く売ってほしいが、文芸書単行本は書店店頭で読者の目に触れる機会をいかに多くするかで売行きが違ってくる。

新買切りにしてリスクを流通にもたせれば縮小均衡になる。

従って文芸書単行本では責任販売制度が根付かない。

 一方で新買切り、責任販売制といって一定のリスクを書店、取次が背負ったとした場合、出版社が確認する方法がない。

10万部を市場に出し、責任販売制で15%以下の返品率にすると、1万5千部。

これが3万部返ってきても、誰がウソをついたかわからない。

 もう一つ、新買切りでは最初に条件が提示されるのでなかなか伸びない。

そのあたりを流通側がクリアして、版元から見て信頼できる仕組みを用意しないと責任販売制は定着しない。

 新刊配本が3部あって、このうち2冊売れる。

補充注文する。

取次オンライン、版元への電話、FAX、取次担当者への電話、あの手この手で注文して部数を確保しようとする。

しまいに、いくつ注文したかわからない状態になる。

版元にも在庫がないから一定の期間を経て重版され、どっと送られる。

旬を過ぎていて返品になってしまう。

 書店の売上げを書籍6割、雑誌4割として、その中の新刊平台の占める占有率は多くて20%。

平均12〜15%だ。

そうすると書籍の80%以上は棚の既刊書の売上げ。

「売行きベスト500」で欠本調査をしたところ、よく管理されているところで4割しかない。

大部分は売れない商品が棚を占有している。

管理しやすい文庫でせいぜい6割、だいたいは5割になっている。

 一昨年発表したトリプル・ウインは600社の書店と160社の出版社が加入している。

店頭の情報、新刊、注文、返品情報を単品別にデータベースで公開している。

出版社は今までどの書店で何が売れたかはつかめても、在庫数はわからなかった。

これがないと重版できない。

現在、600店の店頭情報が版元のデスクでわかる。

重版、再版のタイミングを的確に判断できる。

書店在庫をにらみながら店頭で売れた部数を判断して必要な量だけ作る。

調達、リードタイムに4日かかるとすれば、4日間に売れる数字に見合う商品供給体制を作りたい。

余分に在庫する必要はないし、無駄な返品もない。

これがSCMだ。

 現在、常時50点、平台を中心にやっている。

これに加入している書店は400店。

書店はめったやたらに注文せず、15%以内の返品に抑える。

一定期間平台に展示するなどのルールがある。

SCMの担当者が常時、書店店頭を把握し専用在庫として持っている商品を供給している。

結果、そのジャンルの売り上げは5%ほど伸びている。

 理想的には出版社は小ロットで短期間に重版できる態勢を作ってほしい。

それができるまでは日販の方である程度在庫を持たせてもらう。

読者の信頼を失わないため、売れている時、必要なだけ商品が届く仕組みを作り上げたい。

 藤原 今、IT化で、機械に頼らざるを得ない。

明治の頃、商売を始めた古い書店は電話もなかったが、いまどき、電話もFAXもない書店はない。

あと何年かしたら、パソコンを使えない書店はありえない状況になるだろう。

阿部副社長が言ったSCMでどこまでできているか。

建前と本音が違っていたのが、業界の一番の問題だった。

 それがうまく機能していた時代には問題がなくても、今となるとルールを守ってやらざるを得ない。

ルールを守るためにどうするか。

POSレジで管理されても、それだけのデータで終わってしまうのでは売上げにつながらない。

〔萬田「買切りでインセンティブ」/鶴谷「書店はコンサルタント業」〕  萬田 ICタグは現実に50円が5円くらいになった。

技術の進歩は早い。

業界の取り組みはJPOで検討を進めており、バーコードに変わり物流に革命をもたらす。

万引きにも有効で、ブックオフなど新古書店のリサイクル協議会も実証実験に加わっている。

セキュリティ対策も必要だ。

 このほかデータベースの一体化、客注のスピード化、トレーサビリティで客に即答できる状況も作っていきたい。

日書連では書店データベースを管理運用する。

取次にもこれを使ってもらうようお願いしていきたい。

いろいろな意味で大きな潮目を迎えており、この流れは止められない。

 昨年、東京組合は文芸書の共同仕入れを行なった。

買切りにした途端、注文が止まってしまい、共同仕入れを中止した。

中小書店は顧客管理、来店者の属性が把握できていない。

外商活動が枯渇している要因もある。

この本ならこのぐらい売れるといった予測がもてる書店の資料がないのが大きな弱点ではないか。

顧客管理の一つの手段としてポイントカードがある。

ポイントカードも値引きでないポイントカードは認められているので、公正競争規約の範囲内でやっていけばよい。

これから検討していかなければいけない問題だ。

 POSが進化すればほかの仕入先からのものは区別できる。

責任販売制はトーハン、日販両社長からも公開の席で発言があるので、検討を進めるべきだ。

やりかたの一つが買切りと同時にインセンティブを設ける。

アメリカでは卸売方式として1冊いくら、10冊いくら、50冊ならいくらと逓減する正味率が公開されている。

公表した料率が守られるようアメリカの公取、FTC(米連邦取引委員会)がモニターリングしている。

取引条件が今のままでは、閉塞感の中で商売を続けることになる。

 もう一つ、地域書店として申し上げたいことは、商工会議所・商工会が進めるTMO構想(タウン・マネジメント・オーガニゼーション)だ。

それぞれの地域で計画を立て国の制度融資を受ける。

全国で300件前後が名乗りをあげた。

商工会議所等を母体に行政や周辺商店街が一緒になって賑わいのある街を形成していく。

ハードだけでなくソフト面でも手厚い支援策がとられ、地域との密着が深まる。

ハード面では街区の共同店舗を作れば特別な補助金があったり、低利融資もある。

一つの企業では限界があり、地域が一体となって都市間競争をしながら生き延びていく時代だ。

 鶴谷 書店は仕入れや販売に関する営業活動の大事な業務を全部取次におんぶしてきたため、自主仕入れの判断力、責任が弱くなった。

出版社も一部の大手版元はマーケティング活動をしているが、大半の版元は配本を取次任せ。

これを見直す時期だ。

 後継者問題で廃業された方、自分の代でやめたいという人も多い。

しかし、地方書店はほとんどが何らかの複合形態である。

書店ばかりでメシを食っている人は少数派。

他業種もやっているから価格競争、コスト意識、仕入れはプロである。

そういう方々が、書店の看板に誇りをもってきたけれど、仕入れが思うようにならないことに失望して去っていく。

 少子化は避けられない現実である。

当然既成産業の市場を縮小させていく。

縮小時に大量販売は勇気がいる。

むしろ統合し多様化する戦略が必要だ。

取次の大量販売システムは非常に発達している。

しかし、多様化に対応するシステムが足りない。

書店はお客様に対しプロとしてコンサルティングサービスが必要な業種で、パートやアルバイトに売場運営を頼るロー・コスト・オペレーション政策にはなじまない。

小売業は地域のコミュニティづくりに参加する喜びがある。

最近、そのコミュニティが破壊され、小売業の喜びがなくなってきた。

土地の地域性や読者をよく見ていればどういう商品を置かなければいけないのかわかる。

地方書店は雑誌や新刊書籍など新しい商品の仕入ればかりに目がいきがち。

どういう売場を作るか、もう少し研究していきたいと思う。

仕入れに対する的確な目と販売に対する責任がわれわれの業界に育ってこなかったことを反省している。

 藤原 岐阜商業の学生が「佐藤一斎の心 /忠恕の飴」を企画して売っている。

講談社の学術文庫で何点か出ている。

こういうタイアップもコラボレーションになる。

 最終的に商売は信頼と責任である。

出版業界には無駄、返品がついて回り、業界の中で利益をつぶしている。

儲からないと言いながら我慢大会を続けているのではないか。

今日からすぐにできるかどうかは別にして、ヒントをいただいた。

 阿部(洋) 新鮮な情報発信ができる仕掛けを東北の書店店頭から始めていただきたい。

 萬田 ABA(全米小売書店協会)がブックセンスというマーケティング・キャンペーンで推薦図書、ギフト・カード発行、ドットコムの立ち上げ、ステッカーや包装紙の統一などを図っている。

独立系書店が減少傾向にある中で、過去4年間に14〜15%だった販売シェアが16%に拡大した。

地道な努力を重ねることで成果がある。

日本でも継続的な活動が力になる。

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