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全米独立系書店組織、ABAがすすめる書店活性化支援プログラム「ブック・センス」運動が5周年を迎えた。
5月初めに発表された最新の調査結果では、長期にわたる低落傾向にあった独立系・小規模チェーンのシェアは、過去4年間14〜15%で横ばい状態を続けたが、2003年は16%と上昇に転じた。
『パブリッシャーズ・ウィークリー』誌5月31日号から「ブック・センス」運動の現状を紹介する。
90年代、チェーン店、オンライン書店、非専業書店の進出で、アメリカ独立系書店のシェアは縮小の一途をたどった。
ところが今年5月に発表されたイプソス・ブックトレンドの調査結果によると、過去4年間販売冊数ベースで14〜15%に低迷していた独立系書店のマーケットシェアは2003年に16%に拡大。
金額ベースでは18%を超えた。
ABAが1999年に始めた全米マーケティング・キャンペーン「ブック・センス」は@ベストセラー・リスト、A会員書店の推薦図書「ブック・センス76」、Bギフト・カード、Cウェブサイト「ブックセンス・ドットコム」――の4本柱のほか、年次アワード、全米広告、企業・メディアとのジョイントなどのプログラムがある。
ブックセンス・ドットコムを除き、プログラムの大半は無料。
会員は好きなプログラムを取捨選択できる。
会員書店の要求に柔軟で、ブッフェ方式に例えられる。
★ベストセラー・リスト
全米500店の報告に基づベストセラー・リストは
小規模店のナンバー1が大型店のナンバー1と同じ価値を持つよう調整されている。
毎週、125のメディアが紹介。
専門分野別、地域別リストも作られる。
ブック・センスのリストは「ニューヨーク・タイムス」より実際的だと評価は高い。
ブック・センスとニューヨーク・タイムスでは50〜60%書名が異なり、独立書店でいち早く火が付くこともしばしばある。
この1年間に専門分野別リストで取り上げた対象は、伝記、詩集などの定番ジャンルに加え、アメリカ西部、ホロコースト、野球など。
ABAのドムニッツ会長は「これこそが専門書店の必要性を訴えるブック・センス運動のひとつの狙いだ」と指摘する。
★ギフト・カード
昨年始まった電子ギフト・カードのプログラムに参加している書店は200店を突破した。
ドムニッツ会長は「歴史的に独立系書店は、テクノロジーの分野で大波が来て危うくならなければ動こうとしない。
独立書店は小額の資金で新しい機器を導入できる。
他店の経験談を聞けば、劇的に増加するだろう」と見通しを述べる。
★推薦図書リスト
当初、「ブック・センス76」(アメリカ独立の1976年にちなむ)と名づけられた推薦図書リストは最近、大幅に刷新された。
隔月で点数が多すぎる、内容が古くなってしまうと考えられた。
今月から「ブック・センス・ピックス」のリストはチラシで20冊、オンラインで20冊を取り上げる。
加盟書店は書評付きで候補作をノミネートする。
推薦図書にリストアップされた出版社は「ニューヨーカー」誌に広告を出すなどのサポートが可能だ。
★ブックセンス・ドットコム
手軽にネット販売を可能にしたブックセンス・ドットコムの書誌情報は、イングラム社の@ページを利用している。
販売管理は販売会社のイングラムとベイカー&テイラー。
書店は7種類のテンプレートからカスタム化が可能。
初期費用350ドル、月額175ドルと売上金額の4・5%を販売会社に支払う。
加入書店は200店強で、4ヶ月の無料試用の仕組みを提供する。
ドットコムの売上げは少なすぎるという苦情もあるが、ドムニッツ会長は「ドットコム販売の価値はコミュニケーションとマーケティングの効率的手段にある」と強調する。
★ABAアワード
年間最優秀図書賞「ブック・オブ・ザ・イヤー」は5部門からなり、旧ABBY賞から発展した。
全加盟書店の投票で選ばれる。
今年はブック・センス5周年を記念して、過去5年間の最優秀賞も選ぶ。
ブック・センス運動の知名度アップにより、同賞はより重要度を増している。
★出版社の支援
出版社は広告とマーケティング面でブック・センスをサポートし、その効果は年間180万ドルから200万ドルに及ぶ。
毎月届く「白箱」には、ゲラ刷り、販促材料、出版目録、伝票、ハガキ、棚差しパネル、「赤箱」には時期に応じたマーケティング素材が入っている。
出版社は50ドルから100ドルの料金でブック・センス加盟店にeメールを一括送付できる。
本の紹介や、校正刷りの試読希望を募ることもできる。
出版社は1200以上の書店に一度に働きかけられる。
近々、電子ギフト・カードに広告を載せることを予定している。
ブック・センス・ピックスのチラシにも広告スペースがある。
ブック・センスの大部分を無料で提供するためには収入源の確保が必要だ。
ブック・センスは出版社に独立書店の重要性を印象づける役割も担っている。
これまで、出版社の売上データ分析で独立系書店は過小評価されてきた。
ABAは会員社の売上データ合計を出版社に提供するべく準備を進めている。
独立系書店の8割を占める470店の情報である。
★ブランド・イメージ
最終ゴールは独立系書店の存在価値を消費者に印象づけること。
このメッセージはポスターやしおり、包装袋などを通じて伝えられる。
引越しする顧客に、転居先の優良書店を紹介する書店もある。
別の書店主は「出版社と協力して地域の作家ツアーの宣伝や、出版社情報の提供、注文条件改善につながる流通プログラムの開発を」と要望する。
オハイオ州のラーンド・オウル・ブックス店主は「ブック・センスの良いところは、小さな書店以上の存在、全体の一部でいられることです。
私たちにはアイデンティティがあり、共同体なのです。
消費者も何かが始まっていることに気づくでしょう」と言う。
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