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1、ポイントサービス
公正取引委員会は、平成11年12月に公表した「著作物再販制度下における流通・取引慣行改善等の取組状況等について」の中で、「書店の自主的な判断によりポイントカード制等を用いて、長期にわたり反復して来店する顧客に対してサービスを行うことは、消費者利益に資するものと考えられる。
」としているところである。
2、書店の団体によるポイントサービス禁止要請
公正取引委員会は、前記公表文の中で、「書店団体等が、ポイントカード制等を実施している書店や出版社にこれを取りやめるよう圧力をかけるような行為があれば、独占禁止法上問題を生ずるものである。
」としている。
大脇雅子参議院議員提出の質問に対する内閣総理大臣の答弁書(平成13年7月)の中で「お尋ねの割引制度やいわゆるポイントカードの提供が、再販売価格維持行為について定めた事業者間の契約に反するかどうかについては、当該事業者間において判断されるべき問題である。
」としているところ、これは、契約違反かどうかについては契約当事者間で判断されるべきということを述べたものであって、当然のことながら、独占禁止法上問題がある場合に公正取引委員会が関与しない旨を述べたものではない。
ある書店等が当事者となっている契約について、他の書店又はこれらの団体は契約当事者ではない。
書店の団体が、出版社、取次ぎ等に働きかけてポイントサービスを禁止させるようにすれば、独占禁止法上問題となる(独占禁止法8条)。
3、出版社の意を受けない取次ぎの行為
再販契約の適用除外を定めた独占禁止法23条では、卸売業者(取次ぎ)が生産者(出版社)の意に反してする行為については、「この限りでない。
」としている。
ポイントサービスは、通常の意味では「値引き」そのものとはいえないが(例えば、「10%値引き」と称して、実際には「10%のポイントが付く」ということであれば不当表示のおそれ)、その態様によっては、繰り返し来店する顧客にとって実質的に値引きと同等の効果があり、広い意味では値引きに該当する場合があるものと考えられる。
しかし、現在の再販契約上は、ポイントサービスについての取り扱いは必ずしも明確となっておらず、このような中で、取次ぎが、書店に対しポイントサービスを止めるよう働きかけたり、出版社にポイントサービスを禁止するよう働きかけることは、独占禁止法上問題となる(独占禁止法19条)。
4、出版社の行為
出版社が共同して、ポイントサービスの中止を働きかけることは、前記公表文においても述べているが、独占禁止法上問題となる(独占禁止法3条、8条)。
個別に行う場合であっても、他社商品についてのポイントサービスは制限できない。
ポイントの提供は広い意味で値引きに該当すると考えられるが、蓄積ポイントの利用は、ポイントという債権を支払いに充てたに過ぎず(図書券の利用と同様。
)、再販売価格の維持に反する値引きとは言えず、これを制限することはできない。
クレジット会社が広くクレジットの利用者を対象に行うポイントサービスについては、通常、書店が値引きしたものとは言えず、制限できない。
また、再販契約の適用除外を定めた独占禁止法23条では、「ただし、一般消費者の利益を不当に害することとなる場合は…この限りでない。
」としている。
公正取引委員会は、前記公表文の中で「書店等によるこれらのポイントカード制等の実施において、出版社が自社の出版物を除外させるなどの行為は、…その制限等の態様によっては、一般消費者の利益を不当に害することとなり、独占禁止法上問題となり得る場合もあると考えられる。
」としているところであるが、現在、多くの商品について広く行われているようなごく低率のポイントサービスまで禁止する場合には、この点に抵触するおそれがある。
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